偏食をなくそう
食べものに好き嫌いがあってなぜいけないのでしょうか。答えは、栄養素をバランスよく摂取できないからです。
65種類の栄養成分
小学校の教科書にも、五大栄養素はタンパク質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルで、これらをバランスよくとりましょうと出ていますね。それで、多くの人はからだの健康のために必要な栄養成分は五種類と考えます。ところが実際は約65種類もの栄養成分がバランスよく必要です。
いろいろなものを食べる
65種類の全ての栄養成分をバランスよく含む食べものはありません。いろいろな食べものを食べることによって、すべての栄養成分を摂取できるのです。逆にいうと、嫌いで食べない食べものがあると、その食べものに多く含まれている栄養成分を摂取しないことになるのです。
緑黄色野菜を食べないとビタミンA・D・E・K不足に
たとえば、にんじん、ピーマン、ほうれん草などのような緑黄色野菜を摂取しないと、ビタミンA・D・E・Kなどの摂取量は普通の人の半分以下になってしまいます。
子供の偏食の直し方
とくに子供の成長とっては、偏食をしないことが大切です。子どもはからだがどんどん大きくなっていますし、動きも活発ですから、おとなより多くの栄養が必要になります。それで偏食の影響がおとなより強くあらわれやすいのです。
子どもの偏食の直し方には、次のようなものがあります。
- (1)親の偏食を直し、楽しく食べる
- (2)調理方法に変化をもたせ、嫌いな食品を目立たないように、少しずつ食べる習慣をつける
- (3)友だちと一緒に食事させ、同じ食品を食べさせる
- (4)嫌いな食品を強制せず、食べる気持ちをおこさせる。ほめたり、ゆっくり話して聞かせる
- (5)空腹のときに食べさせる
少しずつ、ゆっくり
偏食を直すには無理じいをしないことが大切です。少しずつ、ゆっくり直しましょう。
偏食は離乳期にいろいろな食べものを食べさせなかったとか、味つけが画一的で素材の味になじまなかったとか、好きなものばかりを食べさせていたなどいろいろな原因が考えられます。
大人の偏食
大人の好き嫌いですが、これは大へんむずかしいことです。本人の自覚を促し、周囲の人は応援することです。どうしても直らない場合は、嫌いな食べものの栄養成分を他の食品で補うようにします。菜食主義者(ベジタリアン)は偏食をしている一例ともいえますが、ベジタリアンの多くは栄養のバランスを十分考えて食物を選んでいます。
ニンニク、ニラ、ねぎなど香りの強い食品
香りの強い食品(ニンニク、ニラ、ねぎその他)などの好き嫌いも2週間程度努力すれば慣れることが多いです。薄味で、食材料の本来のもち味を楽しむような気持ちで好き嫌いを直しましょう。