ヨガでは体を後ろに反らせる後屈系のポーズがいくつかあります。その中でも最もポピュラーな動きの一つが「橋のポーズ」です。床の上であおむけになり、体を反らせます。(編集部 大畑亮介)

「ハーフ・ブリッジ」

橋のポーズはいわゆる「ブリッジ」とは違い、首や肩は地面につけたままです。 膝から下はまっすになっており、横から見ると「半分の橋」のような形になります。 このため、英語では「ハーフ・ブリッジ」と呼ばれることもあります。 サンスクリット語では「セーツバンダ・アーサナ」といいます。

効果

ヒップアップ

橋のポーズでは、骨盤を上へぐいっと持ち上げます。このとき大殿筋(だいでんきん)が刺激されます。大殿筋とはお尻の大部分を占める筋肉で、ここを鍛えると、キュッと上がったお尻を作ることができます。 お尻が引き締まり、ヒップアップにつながる効果が期待できます。

美脚

橋のポーズで大事なポイントになるのが、内ももです。骨盤を高く浮かせたときに、それを支える両足が外に逃げてしまいそうになりますが、内ももにしっかりと力を入れて膝が開かないようにします。 そうすることで「内転筋」が強化されます。内転筋は太ももの内側の筋肉です。ももの内側はプニュプニョした脂肪がつきやすい場所ですが、内転筋を鍛えることで、脚がスラリと引き締まる美脚効果が期待できます。

骨盤底筋

骨盤底筋(こつばんていきん)の強化も、橋のポーズの大きなメリットです。骨盤底筋とは、骨盤の底にある筋肉。ハンモックのような形をしており、骨盤を下から包み込むように支えています。

骨盤底筋には、子宮や膀胱など骨盤の周りにある内臓を支える働きがあります。これらの内臓は、年齢が増えるとだんだん垂れ下がってきてしまう傾向がありますが、骨盤底筋を鍛えれば、下垂を防ぐことができます。下垂の防止は、下腹ぽっこりの改善にもつながります。

また、骨盤底筋は尿道や肛門、膣を引き締めるという役割があり、鍛えることで老化に伴う排便や尿のトラブル改善につながるとも言われています。

さらに、骨盤周辺がほぐれることで血流がスムーズになり、生理痛の緩和や腸の活性化なども期待できます。

後屈による効果

橋のポーズは、腹部などの体の前面を伸ばす「後屈系」のポーズです。このため、後傾になっている骨盤の向きを整え、姿勢を整える効果も期待できます。

(後屈の効果はこちら→

やり方

動画

手順

(1)あおむけに寝る

(2)両ひざを立てる

(3)ひざの下にかかとが来る位置に足をセット(足は腰幅)

(4)左右の足の裏を平行に置く

(5)腕は体の横にセット

(6)お尻を持ち上げる

(7)背中をマットから引き離す

(8)おへそを高く持ち上げる

(9)背中でアーチをつくる

(10)左右の肩を内側に引き寄せる

(11)足の裏全体で床を強く押す。さらに、足の裏でマットを引き裂くようなイメージで足の先のほうへと力を向ける。

(12)内ももに力を入れて、左右のひざが離れないようにする

(13)両手を背中の下で組んで肩甲骨を寄せていく。あるいは両手で足首をつかむ

(14)胸を膨らませ、自分の顔のほうへ広げていく

(15)この状態で静止。5呼吸くらい行う

(16)組んでいた両手を開放させる

(17)次の吐く息がきたら、背中の上のほうから、背骨を一つ一つマットに丁寧におろす

(18)最後にみぞおちを自分の内側に引き入れるようにしながら、お尻までおろす